岐阜県下呂市を流れる 飛騨川の中流に沿って、
続く、全長約28キロメートルの渓谷。
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JRで 岐阜から 高山へ向かう JR高山線に乗り
飛騨金山を 越えたところで 社内アナウンスがあります。
「金山から下呂温泉までの約20kmの区間は、
中山七里と呼ばれています。
益田川の浸食により石英斑岩の塊状岩が断崖絶壁を形成し、
飛騨木曾川国定公園に属しています~」
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さて この 中山七里 もちろん
お芝居 「中山七里」の舞台でございます。
ただ、大衆演劇で行われている「中山七里」では
あまり 「渓谷」の雰囲気は しませんねぇ ^^;
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原作 長谷川伸の 「中山七里」は こんな感じです
江戸は深川の名物男、木場の政吉は材木商の元締、
総州屋の安五郎の若い衆で、材木の目利きにかけては並ぶ者がないほどの腕だ。
勝負ごとの好きな彼は 今日もある料亭でサイコロの最中、岡っ引に踏み込まれ、
困ったところを女中のおしまに救われた。
それ以来、すっかりおしまが好きになった政吉は、
やくざな生活から足を洗うことを条件に彼女と結婚の約束をした。
だが、おしまに気のある安五郎が力ずくで彼女を女にしたため、
政吉は彼を刺し殺してしまった。
一方、おしまも安五郎とのことを苦にして自害した。
それから一年、旅鴉となった政吉は道中、
病に苦しむおなかという女を助けた。
彼女がおしまと瓜二つなのを見た政吉は、胸が高鳴るのだったが、
彼女には徳之助という恋人がいるのを知ってあきらめるのだった。
その頃、徳之助が 中津川の虎太郎に金を借りたため、
借金のかたにおなかは無理やり彼らに連れ去られた。
事の次第を聞いた政吉は彼らの本拠へ乗りこみ、
無事おなかを救い出した。
徳之助、おなかを伴った政吉は、
知人の吉五郎を頼って飛騨高山へ向った。
ようやく一行が吉五郎のもとにたどりついたころ、
政吉を追う 虎太郎一味がやって来た。
月明りの中山七里谷には、たちまち血しぶきがとび散った。
そして数刻、おなかと徳之助に幸せにと言い捨てたまま、
政吉は足早に立ち去るのだった。