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Channel: 桃象の観劇書付
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劇団都 2月13日 庄内天満座

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■ 13日(火) 

特別出演

劇団十六夜 座長  市川叶太郎 

         七代目 市川千太郎

「釣り忍」

枯れても再び芽が出る特徴をもつ釣忍
そんな釣忍のような 
おはんと定次郎の恋ものがたり

 

 

■ 

 

劇団都の場合 「釣り忍」と 外題発表されていても

 

定次郎が 魚屋をやっている

「原作に近い 都オリジナルバージョン」と

 

定次郎が 無職の

「一般大衆演劇バージョン」の 

 

二通りの芝居があります。

 

 

明日のお芝居は、

十六夜から ゲストを迎えての芝居であること、

また 藤乃かな退団以降は オリジナルバージョンを

一度も やっていないこと 等を勘案すると

 

定次郎が 無職の

「一般大衆演劇バージョン」 

 

だろうと思われます。

 

 

しかしながら、、 

他劇団の 「釣り忍」 とは   異なる点が   

大きくは 二か所あります。

 

その 二か所にも 注目して 観ていただきたい。

そこを わかってほしいと 桃象は 熱望します。

 

① 枯れる釣忍 

 

シノブ というのは 岩場などにも生え、
乾燥にも強く、また 冬の寒い時には 凍ってしまわない
植物で そういう 悪環境にも耐えることから
忍(しのぶ)という 名前が付いているんやそうで
乾燥に強く 葉っぱが全て無くなっても
根茎に 水分を蓄えていて 復活しやすい植物
 
その シノブの根を コケ玉に 

巻いて釣るように仕立てたものが 釣忍で  
江戸時代後半から  軒先にそれを吊るして
涼を楽しむことが 行われたそうでございます。

 

お芝居中  そんな  植物釣忍 が
定次郎と その女房 おはんの 恋心を 

暗示してるんですよ

 

表面上の ストーリーだけ 観ていると
この暗示 の 部分に気づかない人もいます

 

 

定次郎 と おはん  二人で暮らすようになった時に

植物の釣忍を 買ったわけです。

 

このとき  おはんの恋ごころ は ラブラブですから  〇

植物釣忍はというと  買ったところですから イキイキしてます 〇

 

二年が経過して・・  (お芝居はここからですね)

植物 釣忍  枯れてしまっているんです ✖

佐太郎さんが やってきて・・・  

 おはんは  定次郎と 別れることにします    

 おはんの恋心は-・・・   ✖        

 

でも  釣忍には  新しい芽が出てきました 〇

定次郎は ふたたび  おはんと暮らすことになります  〇

 

このように おはんの恋ごころと 植物釣忍が 

おなじような推移をします。

 

 

ところが  他劇団の多くが やっている

花が咲く設定でのお芝居の場合

 

買った時 葉っぱ   ○   

二年後  葉っぱ   ○   

最後    花が咲く ◎


と おはんの恋心  一度は消えたようになる状態と 

リンクしなくなるわけです。

 

桃象は お芝居紹介の時に

「枯れても再び芽が出る特徴をもつ釣忍
 そんな釣忍のような  
 おはんと定次郎の恋ものがたり} と 書いています。

 

劇団都の場合 他劇団の多くが行っている

「釣忍を育てている おはんと定次郎の恋ものがたり」

とは すこーーし ちがうんですね。

 

② 越前屋 

 

劇団都の場合、大衆演劇バージョンで行う場合であっても

定次郎さんの実家は 原作同様

「日本橋通り三丁目にある 越前屋」で ございます。

 

これは 日本橋に 実在した 「呉服太物問屋 越後屋」

後の 「三越」 を 示した名前となっています。

 

そのことによって 定次郎は 百貨店規模の店の御曹司

であることを 表現しているわけですね。

 

他劇団では どういうわけだか 「白金屋」としているところが

多いようですが、 

原作では 本家が 白金町に住む仁兵衛さんであり

その「白金」なんでしょうかねぇ

 

「越前屋」という店の名前にも 

深い 意味が込められているのでございます。

 


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