浅草 木馬館 長谷川劇団 4/10夜
「三婆」
■ 配役
武市浩蔵の正妻 武市松子 愛京花
武市浩蔵の妹 武市タキ 長谷川桜
武市浩蔵の妾 富田駒代 藤乃かな
武市産業専務 瀬戸重吉 駒澤輝馬
本宅 女中 花子 京未来
八百屋 まき 長谷川舞
武市産業社員 馬場 長谷川武弥
武市産業社員 田所 長谷川一馬
神楽坂 女中 きよ子 京詩音
サラリーマン 山田五郎 長谷川乱之助
山田五郎の娘 山田しず 駒澤綾姫
福祉事務所員 山川 駒澤優輝
衆議院立候補者 小林徳二郎 長谷川愁
花子の息子 正吉 タイガ (子役)
■
1963(昭和38)年初夏、裸一貫で 金融業 武市産業を創った
武市浩蔵が 神楽坂にある妾駒代の家で突然死んでしまった。
風呂場でそれも生まれたままの姿で。当然この家で通夜と葬儀をするのが30 年もお世話になった妾の心意気と張り切る駒代。
それでは面目丸つぶれとうろたえる専務の瀬戸重助に圧力をかけ、
強引に通夜の席を目黒の本宅に移してしまう本妻の松子。
報せを聞いて駆けつけたもう一人は浩蔵の妹タキ。病弱のゆえか60 過ぎてもバージンとか。
駒代の言を借りれば松子は‘カボチャ婆’であり、おタキは‘電気クラゲ’だという。その駒代をおタキは‘キツネ’と呼んでいる。
★
四十九日も過ぎ、目黒にある松子の家にもやっと平穏が戻りつつあった。心の安らぎをひそかに噛みしめていた。
ところがそれも束の間、駒代とタキが突然転がり込んできた。
住んでいた家が、兄の借財のカタで人手に渡ったタキは、
兄の家である本家に妹の自分が住むのは当たり前、
この家の相続権も自分にあると信じて居座るつもりなのだ。
また駒代は駒代で、新橋に料理店を出すまで、
ほんのわずかの間と言って居候をきめこんでいる。
こうして?三人の婆のいとも風変わりな共同生活が始まる。
突然始まった奇妙な共同生活。肚に一物ある〝三婆”たちは、
浩蔵の部下であった重助 さらにはお手伝いのお花をも巻き込み、
敵か味方か、熾烈なバトルを繰り広げる