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Channel: 桃象の観劇書付
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【用語解説】 歴史的仮名遣い

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簡単に言うと 昔の カナの書き方である

公式には 昭和21年から 現代の 仮名の書き方に変わって
学校の教科書でも  その時から 
通常 我々が使っている 仮名遣いになり  それを 現代仮名遣い といい

それ以前の方式を 旧かな遣い とか 歴史的仮名遣い と呼ぶ。 



次郎長一家の ことを 書いた記事で  
次郎長さんの 女房の名前を 「おてふ」と 私が記載してあって

そのことに ついて  以前 

 「次郎長の女房と言えば 『おちょう』ですよね」
と 華乃せりなはんから 質問を 受けました

そのとおりで、、、

おてふ と 書いて おちょうと 読み 
おちょう と 書いてもいいんだけど  


人名なので  当時の 記載方法(歴史的仮名遣い)で 

書いたのよ

と 説明しました・

考えてみたら

そもそも せつこの年なら  歴史的仮名遣いの存在すら 
しらないのかもしれない ^^;



現代のと 何がちがうのか

いろんな表記ルールが 違いますが。。。
 

 
歴史的仮名遣い→現代仮名遣い
「ぢ→じ」
「づ→ず」
「む→ん」
「ゐ→い」
「ゑ→え」
「を→お」
「くわ→か」
「ぐわ→が」
語頭以外のハ行→ワ行
「ア段の音+う(ふ)」→「オ段+う」
「イ段の音+う(ふ)」→「イ段+ゅう」 
「エ段の音+う(ふ)」→「イ段+ょう」
はぢ→はじ
めづらし→めずらし
かむなづき→かんなづき
ゐなか→いなか
こゑ→こえ
をかし→おかし
くゎかく→かかく
ぐゎん→がん
つはもの→つわもの 
いふ→いう 
にほひ→におい、など
かうべ→こうべ
きふ→きゅう
てふてふ→ちょうちょう
 

参考に ちょうどいい一覧があったので 拝借してきました

「エ段の音+う(ふ)」→「イ段+ょう」

これですね   てふ  と書いて  ちょう と よむわけてございます



大衆演劇の 世界で よく使われる ような言葉だと

穴太徳次郎


あなふとくじろう  →  おのうとくじろう
 

通常 漢字表記なので あまり かな表記では 

登場しませんが・・・

逆に あなふ と 記載するから  

穴太 という漢字が使われているのかとも思います



豊国の浮世絵   「おぜう吉三」
と書かれてあります  こう書いて 「おじょうきちざ」と読みます

通常 お嬢吉三 と 漢字で書くことのほうが 多いので
これも あまり見かけない ですね





ということで 通常は あまり意識しなくてもよいのかもしれません



あくまで 書き方の問題であって

演じるほうも 観客も
読み方としては  
「おちょう」で あり
セリフのときには 
なにも意識する必要はありません 

文字に書くときに昔は そう書いた 
という程度の認識でOK

役者さんが使う台本や
お芝居メモなどにも「おちょう」で
かまいません



問題になりそうな ものを
強いて挙げれば 舞台の看板

どじょうやさんが 登場するお芝居が
あるかどうか わかりませんが
例えば 茶店でなどで 「どじょう鍋」と
書いてあっては不自然で
「どぜう鍋」と書いてあるのが正解です

 

 

テレビで 放送された「釣忍」の一場面です

「茶まんじゅう」というのは おかしいのです

「茶まんぢゅう」あるいは 「茶まんぢう」 と書くのが正解です

 


ざっくりいうと 看板 や 張り紙 で
ちいさい ひらがな 
 「ゃ」 「ゅ」 「ょ」 
があると 不自然だ
と 考えたら いいかもです


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