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Channel: 桃象の観劇書付
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【用語解説】 駄賃(だちん)

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江戸時代 

馬は農作物の運搬を始め、交通・通信などのあらゆる面で、
欠くことのできない重要な存在であった。

交通機関として、

公用の御伝馬(おてんま)と
民用の駄賃馬(だちんうま)があり

民用のほうの 駄賃馬 を使役する

「馬方」 又は 「駄賃持ち」と
いわれたそうな。



表題の 駄賃 とは その 運送料のことで、

宿場から宿場まで の 距離によって 料金が定められていたのと
往来の途中 馬方さんと 旅人さんなどの 直接交渉によって 
料金を 決めたのだとか・・・

資料を あれこれみてると 

おおよそ 1里(4キロ)で 35文 ぐらい

一般的な 宿場間だと 2里 から 3里 なので  

70文から 120文ぐらいが
駄賃の 大体の 相場だったようでございます



さて 馬方さん 交渉がまとまって 

A という 宿場から B という宿場まで
70文で 荷物を運ぶ お仕事をしました。

問題は その 馬方さん  
A という 宿場まで帰らないといけません

なので Bという 宿場で Aまでの 
お仕事を 手に入れたいけど 

なかなか そうはうまく行きません。

仕事にあぶれた人は
荷物も 人も 何も載せずに 

空で帰ることになった人も
いたようで・・・

つまり 「駄賃が無し」 で  
帰る結果になってしまうわけです 

それを 「無駄(むだ)」 と 

言うわけですね。



お芝居 「直ハ一人旅」 の 主人公

直八は  そんな 駄賃を稼ぐ 馬方 の お仕事をしています。
お芝居のなかでは 馬方 のことには あまり触れられませんが

結果的に 堅苦しい サムライの生活よりも 
自由な暮らしの 「馬方」を 選ぶ  直八でございます

 


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