江戸時代
馬は農作物の運搬を始め、交通・通信などのあらゆる面で、
欠くことのできない重要な存在であった。
交通機関として、
公用の御伝馬(おてんま)と
民用の駄賃馬(だちんうま)があり
民用のほうの 駄賃馬 を使役する
「馬方」 又は 「駄賃持ち」と
いわれたそうな。
表題の 駄賃 とは その 運送料のことで、
宿場から宿場まで の 距離によって 料金が定められていたのと
往来の途中 馬方さんと 旅人さんなどの 直接交渉によって
料金を 決めたのだとか・・・
資料を あれこれみてると
おおよそ 1里(4キロ)で 35文 ぐらい
一般的な 宿場間だと 2里 から 3里 なので
70文から 120文ぐらいが
駄賃の 大体の 相場だったようでございます
◆
さて 馬方さん 交渉がまとまって
A という 宿場から B という宿場まで
70文で 荷物を運ぶ お仕事をしました。
問題は その 馬方さん
A という 宿場まで帰らないといけません
なので Bという 宿場で Aまでの
お仕事を 手に入れたいけど
なかなか そうはうまく行きません。
仕事にあぶれた人は
荷物も 人も 何も載せずに
空で帰ることになった人も
いたようで・・・
つまり 「駄賃が無し」 で
帰る結果になってしまうわけです
それを 「無駄(むだ)」 と
言うわけですね。
◆
お芝居 「直ハ一人旅」 の 主人公
直八は そんな 駄賃を稼ぐ 馬方 の お仕事をしています。
お芝居のなかでは 馬方 のことには あまり触れられませんが
結果的に 堅苦しい サムライの生活よりも
自由な暮らしの 「馬方」を 選ぶ 直八でございます