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Channel: 桃象の観劇書付
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劇団武る 1/5昼 「残侠破れ傘」②

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第2場 二天門の若い者 佐吉の家

 

二天門一家の佐吉は ヤクザ稼業をやめ

全うな人生を 女房おつまと暮らそうとしていた。

 

が 親分 寅五郎から20円の借金をしていたため、

親分から その借金を返したらカタギにしてやると

約束を取り付け その金を作りに 出稼ぎの旅に出ていた。

 

その留守を守る 女房おつまのところへ 

寅五郎が何かと理由をつけやってくる。

寅五郎が あろうことか 子分の女房おつまを 

メカケにしようとのたくらみ。

 

迷惑そうにしている おつまと 佐吉の妹 おきみ。

そんな 二人に 救いの手をさしのべるのが 匕首の政吉。

 

政吉は 浅草へ戻り、二天門一家の客人としてワラジを脱いでいたが、二天門の寅五郎の無理難題を とめにはいりに佐吉の家へやってきていた。

 

それもそのはず、佐吉の女房 おつまは 

死んだ おつやに瓜二つ

おつやのカンザシを胸に抱いた政吉は 

おつまの力になるのだった

 

そんなところへ 旅に出ていた 佐吉が20円の金を作って帰ってきた。

 

第3場 二天門一家

 

二天門一家の親分寅五郎。実は 先代の娘 お熊のムコと成り

跡目を引き継いだ婿養子。

 

組のものや、外では親分風をふかせてはいるが、

女房 お熊には頭があがらない。

この お熊という女房が まあ怖い事・・・笑

 

ハリセンを持ち出してきて、寅五郎や 子分達をバチバチどつく。

このお熊さん なぜか 関西弁で怒鳴り散らすから 

幼少の頃 上方で育ったのかも知れない。

 

そこへ 佐吉が 借金を返しにやってきた。

 

寅五郎は 20円を受け取り、

借金がなくなったのだからカタギにさせてやろうと言うが 

お熊は それを許さない。

借金には利子がつくものだから 利を払え。

利子が残ってるうちはカタギにはなれない・・・と

 

そんな馬鹿な話はない。

親分は 金を貸してくれるときに 

親分子分の間で利子なんぞとらないと言ったじゃありませんか。

 

そんな約束なんか知るかと お熊。

寅五郎が なんとかとりなそうにも お熊はケンもホロロ。

怒った佐吉は お熊めがけて 短刀をふりおろす。

 

それを阻止したのが 客人である 政吉。

世話になってる一家の姐さんに 刃をむけるやつを

ほっては置けないと

政吉は 9寸5部の匕首を抜き 佐吉を斬ってしまった

 

 

第4場 二天門の若い者 佐吉の家のまえ

 

佐吉が死んで 後家となった おつまを メカケにしようと

例によって寅五郎が子分を連れてやってきた。

もし首を縦にふらないようなら 無理やりにでも連れて行け・・・と

 

そこへ現れたのが 政吉。

なんでおまえは そんなにジャマばかりするんだ。

二天門一家が政吉に斬りかかり、政吉は 始末をつけた。

 

佐吉さんを斬ったのは たしかに俺だ。

だが、一家に客人として世話になってる身 渡世の義理から

そうしなければならなかったんだと おつまに詫びる政吉。

 

 

そこへ 血桜一家二代目竜二が 

父親の仇をみつけたとやったきて 政吉との一騎打ち。

 

政吉の匕首が 飛ばされ、ピンチ。

 

倒れた政吉に 竜二が刀を振り下ろそうとしたところへ

わって入ったのが おつま。

 

その おつまを見て 竜二もおどろいた。

死んだ妹 そっくりのおつま。

政吉のふところから 転がり落ちた おつやのカンザシ・・・

 

ことを理解した 竜二は政吉を斬るのをやめる

 

二度と浅草に戻ってくるなという 竜二の声を背に、

政吉は旅立っていく


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