言葉の乱れ、誤用 等で
しばしば 登場するのが この 「役不足」
本来の 意味は、
与えられた役が 端役で
その人の力量に比べ 役が軽すぎること。
江戸時代 歌舞伎の世界で 生まれた言葉のようで
大看板役者 例えば 市川団十郎 に
目立たない子分の役を 与えたときに
「これじゃぁ 役不足だ」 と 不満を 述べたりした
あるいは 舞台構成上 この配役では
あの役者さんでは 目立たない役だし 役不足だよなぁ
などと 心配したりした 用語。
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ところが 現代では
こんな 会長職を 引き受けるには 私では 力量不足で
というような 謙遜する意味で
「私には この会長職は 役不足では ございますが・・」
などという 誤った使われ方が されている。
しかも その 誤用の使われ方が 60~70 %ぐらいだといいます
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劇団都、 お芝居 「喧嘩屋五郎兵衛」 で
子分の 下緒の伊之助。
結納を持っていけ と 五郎兵衛親分から 言われた 伊之助
「あっしでは 役不足でございますが」 という
間違った謙遜の使い方を します
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言葉というのは、時代とともに 換わり行くものであり
「共通認識を もって みんなが 使えば それが 正しい」
という 側面も もっています。
例えば この 「役不足」 という言葉を
現代劇で ヤクザ渡世の 子分のチンピラさんが
間違った使い方を している場合
そういう 「間違った使い方をする 子分さんが」
いてもいいわけで その時代の 流行語を使っている演出
として 正しいとも言えるんです
問題は 江戸時代に その 誤用があったか どうか
なんですね
「役不足」については そこが 謎なんですよねぇ
『ら抜き言葉』の 場合、 それが 使われだしたのが
昭和であり 早くとも 大正時代ぐらいからだ というのが
ハッキリしているので
江戸時代設定の お芝居での 使用は ダメ ということが
明確に言えるのですが・・
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まあ いずれにしても 間違った言葉は 使わないに
こしたことはないのですが・・・
間違いだとわかってて 使う のと
間違いだと知らずに 使う のでは
ぜんぜん違うというのもあります。