■ 三河家諒
目に焼き付くといえば 三河家 を 忘れてはいけませんな
四代目三河家桃太郎も そうであったように 五代目三河家桃太郎も
そして 三河家諒も この家の伝統でしょうなぁ
しっかり 目に焼き付く表現をしてくれます。
そんな 三河家諒が 今回 梶井家の奥様
武家といっても そんじょそこらの武家じゃない 奉行の奥様です
それを演じました。
劇団都の時代に ゲストで愛京花が演じた役
そのとき 愛京花は「役者の力量が試される役」と表現してましたが
そのとおり いかようにも演じることが出来る 難しい役。
それだけに演じる人が変わると 大きくイメージが変わります。
テレビで 宮沢りえ主演で行われた 「初蕾」では 若尾文子
舞台では 池内淳子や 草笛光子 等の大女優が演じました。
以前の 愛京花が演じたときには まるで 野際陽子が
憑依したような はまだったわけですが・・
今回の 三河家諒による はまは、「奉行の奥方」の色が強い
池内淳子のイメージに近いでしょうか
それを象徴するような場面が昼の部であったようです。
(桃象は夜の部しか見ていないのですが)
はまが お梅に対して 書道を教える場面
藤乃かなは 紙に 「酒」 と書いた。
愛京花が演じた はまは 同じ場面で
「酒」と書かれた紙を 客席にみせて 笑いを取りに来たのに対して
三河家諒が演じた はまは その場面
舞台上ではスルーをして 舞台裏で
セリフに「仮名が終わったとあるのに 漢字を書くのはおかしい」と
藤乃かなに指導したらしいです。
ここらあたりが 三河家諒。
「大衆演劇」だけではなく テレビ出演をしたりもしている役者の
『本物志向』でしょう
奉行の奥方という 役に徹しきる その男前な姿は流石です。
また 花道の使い方が うんまいんだなぁ
ラスト場面 お民が「おかあさま」と 呼びかけたときの
花道で すっと立ち止まり その言葉を受け入れる
その時の 表情の変化のものすごいこと。。
なんともいえない 三河家諒のあの笑顔に
桃象 悩殺されました。
やはり この人も 妖怪です