Quantcast
Channel: 桃象の観劇書付
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2923

8/13夜 長谷川劇団 「釣り忍」⑦

$
0
0

■ 日本橋通り三丁目 越前屋

 

 

親族会議

中央に 本家仁兵衛 

舞台上手に 扇屋の善兵衛  村田のおたけ

舞台下手に 越前屋のおみち 末席に 佐太郎が座っている

 

画像は 山口秋(未来からすると おばあちゃん)が

おみちを演じた画像

京未来が演じた おみち そっくりでした

 

そこで 定次郎の勘当を解き 越前屋の総領とすることが 

全会一致で決まった

 

定次郎と 織物問屋 丁子屋の娘の 政略結婚を企む親族

せれまで YESマンだった 佐太郎だが その縁談話にだけは

意義を唱える

 

定次郎兄さんには おはんさんという 決まった方が・・

 

それに対して 一笑する親族

 

その おはんさんというのは 元芸者というじゃありませんか

そんな方を越前屋に入れるわけにはいかないですよ

 

元芸者なんて けがらわしい

 

そんな 強い親族の意向に 佐太郎は黙るしかなかった

 

さらには 

 

佐太郎は 越前屋から出て行け のれん分けも しないぞ

 

そんなところへ 酔った定次郎が 入ってきた

 

定次郎は 定次郎の言い分がある
佐太郎には 佐太郎の想いがある
本家の叔父さんは本家の叔父さんのおもいがある

何が正しい 誰か正しいというのは おそらくないのである

男には 何もかも捨てる覚悟で 

自分の信念を貫かなければならないときがある
その 一念のもと 定次郎は   

おめえなんか大嫌いなんだよ と  

本家の おじさんに殴り掛かるのである

いいかげんにしないか と 

そんな定次郎を とめる佐太郎

そして 母親おみちは 定次郎を跡取りにすることをあきらめ
再び 勘当を 宣言する。

このときの 佐太郎 と おみち 
定次郎が 悪態をつきあばれたから勘当にしたのだけではない
定次郎の本音を 理解し 定次郎の信念を貫かせてあげようという
優しさから 勘当したものだと 桃象は 理解している

そうして  越前屋の跡取りという 地位と名誉を捨て
おはんと共に生きることを選んだ定次郎は  

再び勘当されたのである
 

この場面 各人 表面上の行動だけではなく

内面に いろんな思惑が かくれている難しい場面です

 

■ 越前屋 裏木戸前

 

釣忍に芽が出たのを見せにやってきた おはん。
釣忍に芽が出たという喜びもあるだろうが、
親族会議の結果について 定次郎の様子が
知りたかったのかもしれません

そこで 再び勘当された 定次郎が出てくる。
そして 二人は 再び 長屋で 生活をすることにする。

 

画像は 山口秋が母親おみちを演じた時の画像

京未来演じる おみち そっくりでした^^



そこへ 佐太郎と 母親が出てきて  

嫁姑の初対面の場でございます。

佐太郎が あのお方が おはんさんです。

と 母親に紹介する
おはんが 母親に近づいていって

 「おはんと申します はじめてお目にかかります」

そんな おはんに対して おみちは
 「定次郎は たったいま勘当いたしました。
 これから先は 二人仲良く暮らしてくださいね」
そして 定次郎に対しては 
 『勘当したといっても 親と子なんです。
 本当に困ったことがあったら いつでも相談なさい」

姑が おはんを 嫁として認めるわけでございます

そして 佐太郎さんに命じて 二人が生活を始める祝いのお金を
おはんに 渡すのでございます。

実に ほっこりする場面でございます。

定次郎 「なあ おはん
      その釣忍には 芽が出ていただろう
      俺たちも その釣忍のように 一度は枯れたが
      また芽をだそじゃないか」

ここで 釣忍の 真の意味が明かされるのでございます

定次郎とおはんが 一緒に生活を 始めた時に買った釣忍
それが 2年経過して 枯れる。
時同じくして  定次郎と おはんは 別れる決意をする。
そして 再び芽が出る。そして 二人は再び 生活を共にする。

つまり 釣忍 と おはんの恋心 が リンクしています


このお芝居 「釣り忍」は  

枯れても再び芽が出る特徴をもつ釣忍
そんな釣忍のような 
おはんと定次郎の恋ものがたり

そんなお話なのでございます


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2923

Trending Articles