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Channel: 桃象の観劇書付
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【用語解説】仮祝言(かりしゅうげん) 

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内輪で執り行う仮の婚礼

 

 

「妻恋の留八」の仮祝言の場が 

しっかり届きましたので 今一度 説明したいと思います

 

 

新郎(健次郎)が  向かって右

新婦(ななみ)が     向かって左

に座っています。 これが 正しいんですよ!!

 

 

現代の結婚式においては  逆ですね

 

 

現在 雛飾りも こういう形です

 

 

ところが 明治以前は 違うんですよ

 

映画 「武士の献立」の 一場面です

 

向かって右に 新郎    向かって 左に 新婦が 

座っています。

 

↓ TV  「水戸黄門」の祝言の場面 

 

 

江戸時代においては  

 

本人たちからすると 左 が 上座であり 右が 下座

 

(客からすると 向かって右が上座 で

向かって左が 下座 です)

 

古来からの 伝統が残る 「京雛」も ↓のように並べます。

 

 

 

主人を 上座  奥方は 下座

当時の 婚礼も 同様です

 

 

ところが 明治になって 西洋の文化が 日本に 流入され

 

本人からして 右が上座  左が下座

客からすると 向かって 左が上座 向かって右が下座

 

という 西洋的な文化が 日本にもやってきます。

 

(フランクリン ルーズベルト)

 

 

天皇家においても

 

明治天皇の頃は 日本伝統の 

向かって右 が 上座

向かって左 が 下座

という 立ち位置です。 

 

 

 

大正天皇 になって

 

 

                      ↓

 

 

このように 変化したようです。

 

この 大正天皇以降   
 
(向かって右が上座 で  向かって左が 下座)
 
とする 日本古来の風習ではなく
 
(向かって左が上座 で  向かって右が 下座)
 
という 西洋的な風習が 東京を中心に広がります。
あるいみ 当然ですわね 天皇様が そうしてるんだから・・

 

 

その結果

 

現代の結婚式では 

 

西洋的な考え方にもとずいて 

向かって左が上座 で  向かって右が 下座

 

新郎が 向かって左に 新婦が 向かって右に

すわるわけですね。

 

 

現代  雛飾りも こうなっています

 

 

 

ところが 江戸時代からの 伝統文化

能狂言 歌舞伎 上方落語など  古来からやっているものについては   日本古来の風習 

(向かって右が上座 で  向かって左が 下座)

というのが 現代でも 伝統としてのこっています。

 

大衆演劇の舞台も そうですね

 

お吉物語の場面ですが  

上役様が 向かって右

お吉が   向かって左

に  座っています。

 

釣り忍 の 夫婦

ご主人 定さんが  向かって右

女房  おはんが   向かって左

に  座っています。

 

 

大衆演劇においては  祝言だから と

特別な 並び方をする必要はなく

いつも通りの  座り方をすれば いいんです

 

 

 

ところが 

上座・下座の歴史を よくわかっておらず

 

祝言の場面だからと 

 

アンチョクに↓のような 

 

現代的(西洋的)な 新郎新婦の座らせ方を

している すっとこどっこいな 大衆演劇の劇団も

多々あります

 

 

 

劇団が分からないように ノイズ入れましたが・・

九◯演劇協会会長の劇団です

 

演劇協会の会長が こんな芝居をしているんじゃ困りますね

「大衆演劇って 所詮そんな程度の芝居」だと思われてしまう

 

何かしら 意図があって わざと そうしている場合は別ですが

こういうのを 観たら  客は 文句を言いましょう w


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