第4場 巣鴨吉祥院の場
和尚吉三は、今は荒れ寺のこの吉祥院に住んでいます。
寺守の源次坊(げんじぼう)さんが買い物とかしてくれています。
和尚吉三が留守の間にお坊吉三がやってきます。
和尚は帰ってきたところを捕り方に囲まれ
お坊吉三とお嬢吉三を捕まえれば許してやる、と言われます。
寺に入って、お坊と和尚の会話、
お坊吉三の父親は、前のほうで説明した安守源次兵衛(やすもり げんじべえ)でした。名刀「庚申丸」を盗まれて切腹、お家が断絶になった人です。
庚申丸を盗んだのは伝吉さんなので、お坊が今浪人しているのは死んだ伝吉さんのせいですよ。
お坊は、じつはお家再興のために庚申丸を探しています。
おとせちゃんが十三郎くんと一緒に、
兄である和尚吉三を探しにやってきます。 父親が殺されたので敵を討ちたい相談です。
あと、ふたりは好き合って、夫婦になりました。落とした百両の問題も片付いていないのでいろいろ助けてほしいと頼みます。
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ここで とせは
丸の内に封じ文の紋 のついた 振袖を着た 17 8 の 娘に
100両の金を盗られ 川へ突き落とされたと説明
和尚吉三は これで 犯人が お嬢吉三であることを理解します
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画像は2015年 劇団都で三人吉三行ったときのものです
川に突き落とした 庚申塚の場面の衣装
今回のお嬢吉三も ほぼ同じ姿でした
胸元の家紋 が 丸の内に封じ文です
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伝吉が殺されたこと その傍らには
吉の字菱の家紋入りの 小柄が落ちていたこと
つまり 伝吉を殺したのが お坊吉三であることを
和尚吉三は 理解します
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とりあえず、話があると言って、
和尚吉三は 寺の裏のお墓に行二人を連れていきました
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隠れて話を聞いていたお坊は、
自分が殺したのが和尚の父親だと知ってショックを受けます。
申し訳に死のうとします。
そこに、お嬢吉三が声をかけます。
お嬢はお寺の天井の飾りの中にずっと隠れていたのです。
十三郎くんを拾って育てた八百屋の九兵衛さん、
その本当の子供は、どうもお嬢吉三のようです。
十三郎とおとせが困っているのも、伝吉さんが死んだのも、
思えばお嬢がおとせちゃんから百両取ったからです。
悪事の因果を思い知ったお嬢も一緒に死ぬと言い出します。
死のうとするお嬢とお坊を、和尚吉三が呼び止めます。
十三郎くんとおとせちゃんの首を持っています。
お坊吉三が殺した伝吉さんは、命令されてやたっとはいえ
庚申丸を盗み出した張本人、いわばお坊の父の敵です。
伝吉さんを殺したことについて和尚吉三は恨みはない、
と言います。
こうやって、うまく二人のニセ首が手に入った。
なんとか役人をごまかすから、
二人はなんとか逃げて、この機会にカタギになれ、という和尚吉三。
感激した二人は、それぞれ持っていた百両と刀を、
お別れに和尚吉三に差し出します。
そしたら、今まで百両ばっかり気にしていて
誰も気付かなかったのですが、
お嬢が持っている刀こそが、探していた
庚申丸じゃありませんかー!! 驚く3人、
これさえあれば、お坊はお家再興がかないますよ。
そしてお嬢は、死んでしまったとはいえ十三郎くんの
横領疑惑を晴らすために、
この百両を彼の働いていたお店(おたな)に届けることにします。
待ちくたびれた討手が攻め込んで来る前に、
逃げ出す二人、
ニセ首を持って討手を待つ和尚吉三
でこの場面終わります