第二場 両国 大和屋前
親方もう腹が減って 歩けねぇ
三太を連れた 政吉が 見回りをしている
もう無理です
ここの見回りが終わったら たべさせてやるから・
静けさが戻ったところへ 宇ノ吉がやってきた
親方 無沙汰しています
ひさしぶりだなぁ
鬼十郎が登場
権次から聞いているか
へぇ 十両の金 お持ちいたしました。
そうか カタギの身で 10両の金を作るのは大変だったろう
これは 返してやる
お前の気持ちをはかっただけだ
それじゃ 許してくれるんですか。
まちな・・
俺たちも 江戸では そろそろ仕事がしづらくなってきていて
しばらく飛ぼうと考えているので 最後の大仕事だ
大和屋三番蔵の錠前だけが どうしても空かねぇ
お前だったら 開けることができるだろう
これで 最後の おつとめだ
手伝ってくれるな
銃口を突きつけ 宇ノ吉に せまる
許してください
二度と 錠前だけは 破らないと誓ったんです。
おお そうか
それじゃ てめぇの女房とガキも どうなるか わからねぇなぁ
宇ノ吉は しかたなく たった一回切りと約束をして
蔵の錠前を 破ることに
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なんか あやしい人影が 通ったような
見回りの 政吉たちが 戻ってきた
観てこい
嫌です
いいから 観てこい
そんな ビビリの三太のせいで
伴天連組の一味を逃がしてしまった