長次の刀を持つ手はふるえたまま、刀を離すことすらできない。
やっとのことで刀を離すと、
着物を脱いで
雪が降り積もる長吉の亡骸に 自分の着ていた着物をかける
次に 着ていた羽織を 仁平の亡骸に・・・
だが 自分を斬り仁来た人斬りに そんなことすれば・・・
でも 父親じゃねえか・・ 悩む長次
そんなところへ 政吉が おこもの老婆をつれて戻ってきた
親分無事でしたか・・・
おやぶん よかったぁ 泣きじゃくる政吉
政 そんなに泣くんじゃねぇ
死んだらみんな仏になると言うじゃないか
俺が行ってからでいいからよ、そこで 死んでる
とっつぁんに着せてやってくれねぇか
そういうと 羽織を 渡すと
雪が降り続く中 歩き出す長次親分
街道一の親分さんは、
清水の次郎長親分さんだと聞いていたが、
それにも それにも 勝るとも劣らぬ川北長次
日本一の いい男だよぅ