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Channel: 桃象の観劇書付
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8/13昼 長谷川劇団 「吉良の仁吉」①

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■ 血煙荒神山「吉良の仁吉」

 

吉良一家

太田仁吉      藤乃かな

女房 お菊     京未来

乾分 山辺三蔵   長谷川一馬

 

神戸長吉      長谷川乱之助

 

次郎長一家 

清水の小政     京詩音

桶屋の鬼吉     長谷川愁

 

穴太一家

穴太徳次郎     長谷川武弥

女中  お竹    都ゆな

用心棒 角井門之助 愛京花

 

 

 

大衆演劇の世界って やはり 男の世界が色濃く 
その結果 お芝居にしても 男性中心の芝居になっていて
例えは マンガでいうと 少年マンガの世界の芝居が
いまの 一般的な大衆演劇の芝居では無いかと思ってます


おなじマンガ雑誌でも 少年ジャンプの世界だけではなくて、
女性マンガの世界もあるわけで
おなじ話でも 女性視点で描くと また ちがったものになるのではないかと思います

男の立場から すると 女房を愛している ということを 
恥ずかしく また 照れも有り なかなか言えるものではないし
そういうように 思われること自体が 

はずかしいものなのである

そこで そう思っていても 思ってないふりをする
そこに 男の美学みたいなものが 成立し

 

それが いわゆる 少年ジャンプの世界であり
従来の 大衆演劇の世界なのだと思っている 

 

だが もっと心情を思い切り表現してもいい

いや 表現する芝居があっていいし

 

例えば 女性マンガの世界で 

内田康夫の浅見光彦シリーズを 漫画化されてたりも

しています 

 



そういう女性視点での 吉良の仁吉  
女優 藤乃かなが いかんなく発揮されるお芝居が

そんな「吉良の仁吉」だったと思います

本人は これで 仁吉を演じるのは最後と

言ってるんですが

ほんと もっと続けてほしいと思う芝居でした

 

 

下総国から黒田屋勇蔵という一人の侠客が桑名城下にやってきた。綽名を平親王将門と名乗っており、子分は千人を越すとかなり法螺吹きでもある。彼は晩年に穴太屋徳次郎にその跡目を相続させ、地盤を譲って剃髪し、墨衣をまとって何処ともなく立ち去っていった。


 穴太徳は黒田屋の地盤を引き継ぐと、信濃松本の浪人、

角井門之助そして西国の浪人、福山喜内。さらに上野国生まれの浮浪熊五郎などを身近に集め、勢威を北伊勢および尾張、美濃、三河地方の博徒社会に広げていった。

そのころ河芸郡神戸城下に傳左衛門という侠客がいた。
安政二年(1855)ごろから荒神山観音寺の会式に際し、

寺の近くで開帳する賭場の主催となっていたが、

彼が死んだのちその子の長吉がこの跡目を相続した。
 

子分は五十余人だったが腕力の争いで穴太徳にはおよばないが、

賭場の収入は圧倒的に多かった。

毎年四月八日には御賽銭勘座所という看板を掲げ、

大々的に賭博を開帳し、盆割絣銭(手数料)が多いときは

金千五百両を越え、少ないときでも数百両にもなった。
この当時、農民町人の財力ある者たちがこぞってこの賭博に加わった。

 

そのため財力では穴太徳を凌いで諸国の侠客と対等に交際し、

博徒社会で名前も売れて羨望されていた。
 
穴太徳はなんとか機会をみて長吉を排斥し、この権益地盤を物にしたいと狙っていたが、なかなかその機会がつかめない。

 

慶応二年二月(1866)20日
穴太徳の子分、熊五郎は朝明郡東富田村の料理屋、

三筋屋の「お琴」という娘に一目惚れとなった。
しかし 彼女はすでに神戸長吉の子分、

加納屋利三郎と婚約していた。
 

翌日の2月21日、
偶然に桑名近郊の賭場で利三郎と熊五郎は顔を合わせた。
腹に嫉妬の怨念があるので些細なことが喧嘩になる。
双方が刀を振り回す争いをおこしてしまった。

そのときは仲裁者があって収まったが、

この喧嘩は熊五郎が挑んだのは歴然としている。

 

ところが穴太徳は 絶好の機会と角井門之助と相談し、

三十三人の子分を引き連れ、加納屋利三郎の宿を襲撃した。

そして止宿していた信州常と下総熊を傷つけ、

ほかの連中を追い払った。
 

穴太徳の一行は余力を駆使して神戸城下に進み、

夜になってから長吉の住宅を破壊しようと進入をはかった。
しかし長吉と利三郎は不在であり、

そこにいた長吉の母シゲにこっぴどく
『女だけの家に押し込んで、馬鹿野郎!出直してこい!』
と罵倒された。

 

彼ら三十余人はそのまま高宮村の近くの椎茸山に退去し、

「おみね茶屋」を根城に長吉の来襲を待つことにした。

神戸長吉と利三郎たちが家に帰り、

母から穴太徳たちの暴行を聞くと、

翌日、子分三十余人を集めて「おみね茶屋」に向かった。
その途中で敵と遭遇しすぐ争闘になってしまった。
 

そのとき 加納屋利三郎に雇われていた一人の青年が

熊五郎を刺し、の助力で利三郎は止めを刺した。
しかし双方が乱闘をしている間に、

利三郎は角井門之助に討たれてしまった。

 

この抗争を先導したと 神戸の長吉が

代官所に囚われの身となり

そのすきに 穴太徳は 荒神山の賭場を占拠してしまいます

 

こういう背景があり  このお芝居がはじまります


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